ファントム〈下〉 (扶桑社ミステリー)


【ユーザーによる評価】 平均評価: 5.0/ 総数: 22件
[5点] 真実に気づかされる一冊。
オペラ座の怪人をご存知の方は数知れず。
しかしながらこっちまで知っている方は少ないんですよね。
私としては、上巻のレビューにも書かせていただいたのですが、
原作を読み終えた後にこの物語を読むのがお勧めの読み方。
原作一冊で真実を知ろうと思っても、
なかなか本当のところは曖昧な表現に変わっていたり、
良くわからなかったり。
そこで、この上下巻はそんな素朴な疑問を解決する手立てに
なってくれることでしょう。
物語の真相が、エリックの視点から、ダローガさんの視点から、
ラウールの視点からと、様々なカタチで表現されています。
私としては、エリックとクリスティーヌのやりとりを
クリスティーヌの日記のようなカタチで表現している所が
読んでいて、とても楽しかったです。
エリックに首ったけな私ですが、エリック好きならなおさら
是非、買ってエリックの過去を知って欲しいと思います。
ですが残念ながら、ラウールファンの方にはあまりお勧めは
できません。ラウールが語るのは最後の一節で、
一番いい所を任されている割に、何を言いたかったのか
明白にならないんです・・・。
そこだけザンネンだったかな。
でも、満足したので星五つ。 (2007-11-17)
[4点] 「ファントム」というより「エリック」
下巻になると原作で少し出てきたファントムの過去に触れて掘り下げているので、まだの方は先に原作を読んでおくと
より楽しめると思います。
一方でクリスティーヌとの関係からみるファントムはファントムというより「エリック」の色が強く、原作の
ファントムのイメージからは少し離れたかな と感じました(原作はホラー色が強いのでイメージをつなげようとする
のは野暮かもしれませんが)。
かといって映画版ファントムの様にセクシーさや優しさ、弱さだけが強調されている訳でもなく、一部の人には優しいが
残酷で暗い部分もしっかりある、厚みのある新しいファントム像がとても素晴らしく、惹かれました。

☆マイナスポイントはラストがファントム=エリック贔屓(?)に思えてちょっと興ざめしたからです。
私もファントム=エリックは大好きだけど、ちょっとエリックを贔屓しずぎじゃないかな〜。
折角ここまで丁寧に来たのに、ラストはなんだか ただエリック大好きな女性がエリック贔屓に書いたみたいで
どうしても軽く思えてしまう。クリスティーヌにとってのラウルって何?!って感じです。
ラウルの頼りなさを考えるとある意味現実的かもしれませんが・・・・。

と 色々書きましたが上巻同様面白いことに変わりはなく、ファンならきっと手元において何度も読み返したい
作品だと思います。とくに「ファントム=エリック」ファンにとっては。
読み終えて、この本は「ファントム」ではなく「エリック」だと思いました。 (2007-10-24)
[5点] やっと!やっとだ!!
怪人が幸せになれる本、それがスーザン・ケイのファントムです。
怪人の生い立ちはまるで傍で見てきたようなリアリティがあり、ぐいぐいと惹きつけられてしまいます。
幼年期から青年期を経てオペラ座を造りクリスティーヌに恋をして・・・
原作との見事なリンク。
初めて読む人はこれが真実だと言われてもまったく疑問にならないのではないか?
と錯覚さえ引き起こします
情景の見事な描写、人物の心の動き、全てが魅力的です。
読み終わった後こみ上げてくる不思議な感情
お勧めです、是非味わってみてください (2006-06-30)
[4点] 力作のオマージュ作品
原作を敬した丁寧な下調べに基づく世界観と、作者自身の独創的で非常に豊かな心理描写は単なるファンフィクションの域を超えている。
原作のようなゴシック・ホラーというより、主人公をただひとり“ファントム”に絞った人間ドラマである。
作者自身の“ファントム”への思いいれが強すぎるきらいもあるので、終盤の展開を受け入れられるかどうかは読者の好みによるだろう。 (2005-12-19)
[5点] 心の彷徨
何とも素晴らしい作品に久々に巡り合えた感慨に、他の本に手が伸びません。暫くはこの状態が続くでしょう・・・。

私は原作も舞台も未見ですが、十分に「ファントム」の苦悩、狂気、屈折の人生を共に歩み、涙出来ました。
 勿論、彼の犯した罪の数々は許されるものでは無いでしょう。それでも、彼が人生を掛けて欲したモノが、実は何であったかのかをページから突きつけられたときの衝撃は、とても言葉では言い尽くせない哀しみと、エリックに対する深い同情の念に包まれるのではないでしょうか。 (2005-10-02)

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