ダ・ヴィンチ 2007年 04月号 [雑誌]
Tag : 伊坂幸太郎
アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
伊坂 幸太郎
東京創元社
発売日: 2006-12-21
定価: 680 円
アマゾン価格: 680 円
アマゾン売上ランキング: 193位
通常24時間以内に発送
伊坂 幸太郎
東京創元社
発売日: 2006-12-21
定価: 680 円
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【ユーザーによる評価】 平均評価: 4.0/ 総数: 70件
若い感性にこそ訴えかけるものあえてレビューなど読まず、全く情報を入れずにまっさらな頭で読んでみた。
現在と過去が交互に語られる構成は、先が読めず、着地点も予想出来ず…。
早読みの方だが、結構時間と労力を要した気がする。
だが、真ん中あたりから、ページをめくる手が止まらない!
前半部分の先の読めなさがとても重要!
読めないからこその「驚き」と「切なさ」が、後半怒涛のように押し寄せる。
ただ「驚き」の方には年齢は関係なさそうだが、私が感じた「切なさ」は、比較的若い世代の方が、敏感に感じるのではないだろうか?
現在30代半ば。去年読んだのだが、高校時代に読んだらもっと…という感じがする。
ちなみに後に映画も見たが、私の中での去年の邦画ナンバー1である。 (2008-04-11)
現在と過去が交互に語られる構成は、先が読めず、着地点も予想出来ず…。
早読みの方だが、結構時間と労力を要した気がする。
だが、真ん中あたりから、ページをめくる手が止まらない!
前半部分の先の読めなさがとても重要!
読めないからこその「驚き」と「切なさ」が、後半怒涛のように押し寄せる。
ただ「驚き」の方には年齢は関係なさそうだが、私が感じた「切なさ」は、比較的若い世代の方が、敏感に感じるのではないだろうか?
現在30代半ば。去年読んだのだが、高校時代に読んだらもっと…という感じがする。
ちなみに後に映画も見たが、私の中での去年の邦画ナンバー1である。 (2008-04-11)
軽妙な仕上げ大学入学のために引っ越してきたばかりの「椎名」、同じアパートの向かいの部屋に住む正体不明の「河崎」。
「河崎」の過去に関係する「琴美」、「ドルジ」、ペットショップを経営する「麗子」...。
不思議な人物のオンパレードです。
現在と2年前の出来事が交互に展開されていきますが、現状との折り合いをつけながら色々な人生を生きている上記登場人物の物語に途中参加した主人公「椎名」が、戸惑いながら着いていきます。
ペット殺し、HIVなど決して軽い内容ではありませんが、物語り全体としては軽妙に仕上げています。
まぁ、特殊なケースだなと思って読んでいたのですが、他人の物語に途中参加するのは我々の人生でも決して珍しいことではなく友人、恋人、夫婦、会社の同僚もお互いに他人の物語に途中参加していることに気が付き愕然としました。
伊坂幸太郎の作品を読んだのは2作目ですが、人生の機微や悲しみを扱いながらも軽妙に仕上げる独特の力量を感じます。
引き続き他の作品も読んでみたいと思います。
(2008-03-16)
「河崎」の過去に関係する「琴美」、「ドルジ」、ペットショップを経営する「麗子」...。
不思議な人物のオンパレードです。
現在と2年前の出来事が交互に展開されていきますが、現状との折り合いをつけながら色々な人生を生きている上記登場人物の物語に途中参加した主人公「椎名」が、戸惑いながら着いていきます。
ペット殺し、HIVなど決して軽い内容ではありませんが、物語り全体としては軽妙に仕上げています。
まぁ、特殊なケースだなと思って読んでいたのですが、他人の物語に途中参加するのは我々の人生でも決して珍しいことではなく友人、恋人、夫婦、会社の同僚もお互いに他人の物語に途中参加していることに気が付き愕然としました。
伊坂幸太郎の作品を読んだのは2作目ですが、人生の機微や悲しみを扱いながらも軽妙に仕上げる独特の力量を感じます。
引き続き他の作品も読んでみたいと思います。
(2008-03-16)
真相は好きですが、登場人物に魅力を感じませんでしたこの作者の作品は初めて読みましが、正直いって、微妙な感じです。
例えば「何故警察へ行かないのか」「親しくもない隣人の誘いに乗る」や「店長がある人間を殴る」など、
設定がアリエナイと思える箇所が多かったです。
ただ、現実的ではないと感じたものの、文章そのものは読みやすいので、それほど悪い印象はなかったのですが……。
◇現在◇と◇二年前◇が交互に語られ、◇現在◇の語り手は琴美、◇二年前◇の語り手は椎名です。
それらにどのような繋がりがあるのかはすぐ分かるので、その先の展開が予測しやすく、意外性は感じませんでした。
それから、小説として問題があると感じた箇所もあります。
文庫を読んだのですが、P28で「琴美」とあるのは駄目でしょう。
◇二年前◇の語り手が琴美だと、最初は分かりませんでした。
それが分かる文章をこの前に入れないと……。
ほかにも気になるところがあり、P81のバスの運転手の行為も、別のやり方をするべきだと思います。
賞賛はできませんね。
また、不快感を覚えるような人間も登場するので、読んでいて楽しいものではありません。
好感を持てる登場人物が皆無なのは、エンタメとして高評価できないですね
椎名は割合と普通の人間ですが、「一緒に本屋を襲わないか」という訳の分かない申し出を何とはなしに受けてしまうのは理解できません。
琴美は、元恋人を嫌っているといいつつも、その男に対しての態度は曖昧です。
このあたりは理解できないこともないのですが、その男に魅力を感じる要素が書かれていないので、どうも感情移入ができません。
せめて、琴美の彼に対する思いをもう少し良いものにしてくれたら、説得力も出たと思います。
真相(といって良いのかは分かりませんが)そのものは、結構好みですね。
しかし、残り80ページであることが語られるのは、「早いな」という印象です。
その後は、じっくり読もうという気には、あまりなれませんでした。
河崎のことに関しては、おかしいだろという気持ちもありますが(彼が最後にとった手段)、
二年前に何があったのか……それについての読ませ方(目新しいものではありませんが)は面白かったので、☆は4つです。
それしても、河崎がもっと魅力的なら……返す返すも、残念ですね。
読後には、あまり残るものがないという印象を受けた作品でした
(再読したいと思うほどではないということです)。 (2008-03-12)
例えば「何故警察へ行かないのか」「親しくもない隣人の誘いに乗る」や「店長がある人間を殴る」など、
設定がアリエナイと思える箇所が多かったです。
ただ、現実的ではないと感じたものの、文章そのものは読みやすいので、それほど悪い印象はなかったのですが……。
◇現在◇と◇二年前◇が交互に語られ、◇現在◇の語り手は琴美、◇二年前◇の語り手は椎名です。
それらにどのような繋がりがあるのかはすぐ分かるので、その先の展開が予測しやすく、意外性は感じませんでした。
それから、小説として問題があると感じた箇所もあります。
文庫を読んだのですが、P28で「琴美」とあるのは駄目でしょう。
◇二年前◇の語り手が琴美だと、最初は分かりませんでした。
それが分かる文章をこの前に入れないと……。
ほかにも気になるところがあり、P81のバスの運転手の行為も、別のやり方をするべきだと思います。
賞賛はできませんね。
また、不快感を覚えるような人間も登場するので、読んでいて楽しいものではありません。
好感を持てる登場人物が皆無なのは、エンタメとして高評価できないですね
椎名は割合と普通の人間ですが、「一緒に本屋を襲わないか」という訳の分かない申し出を何とはなしに受けてしまうのは理解できません。
琴美は、元恋人を嫌っているといいつつも、その男に対しての態度は曖昧です。
このあたりは理解できないこともないのですが、その男に魅力を感じる要素が書かれていないので、どうも感情移入ができません。
せめて、琴美の彼に対する思いをもう少し良いものにしてくれたら、説得力も出たと思います。
真相(といって良いのかは分かりませんが)そのものは、結構好みですね。
しかし、残り80ページであることが語られるのは、「早いな」という印象です。
その後は、じっくり読もうという気には、あまりなれませんでした。
河崎のことに関しては、おかしいだろという気持ちもありますが(彼が最後にとった手段)、
二年前に何があったのか……それについての読ませ方(目新しいものではありませんが)は面白かったので、☆は4つです。
それしても、河崎がもっと魅力的なら……返す返すも、残念ですね。
読後には、あまり残るものがないという印象を受けた作品でした
(再読したいと思うほどではないということです)。 (2008-03-12)
伊坂作品としは上出来賛否が分かれますが、彼と同世代の作家にくらべて、
ちゃんと深い内容になっている作品でした。
キザな文体は好みによるでしょうが、
私はそんなに気にならなかったです。
ただ、この物語の本質が本当に理解できず
「つまらない」と評価された方は、読み方が足りないと思います。
軽い物語でありながら、同じアジア人に対して
何故日本人は、抵抗を感じるのだろう?
事件の前と後で
ペットショップの店長の意識の変化に
敏感に感じた方は、多分共感できる話だと思います。
(2008-02-23)
ちゃんと深い内容になっている作品でした。
キザな文体は好みによるでしょうが、
私はそんなに気にならなかったです。
ただ、この物語の本質が本当に理解できず
「つまらない」と評価された方は、読み方が足りないと思います。
軽い物語でありながら、同じアジア人に対して
何故日本人は、抵抗を感じるのだろう?
事件の前と後で
ペットショップの店長の意識の変化に
敏感に感じた方は、多分共感できる話だと思います。
(2008-02-23)
ストーリーのうまさと青春小説の軽さ過去と現実が並行して描かれることで
「どうなるんだろう?」という期待が強まり、
一気に読むことが出来た。
そこはストーリー展開のうまさだろう。
ただ、重くなりすぎず軽さに徹している文章は、
かえって抵抗感がある人もいるかもしれない。
自分も正直抵抗があったが、読み終わって振り返ると、
作者はミステリーの形式を借りているものの、
若い時代における夢や無念といった青春を描きたかったのではないか。
そう考えると、むしろこの軽さが程よい感じがした。
そういう意味で、ミステリーと青春ものがうまくミックスされた傑作だと思う。 (2008-02-19)
「どうなるんだろう?」という期待が強まり、
一気に読むことが出来た。
そこはストーリー展開のうまさだろう。
ただ、重くなりすぎず軽さに徹している文章は、
かえって抵抗感がある人もいるかもしれない。
自分も正直抵抗があったが、読み終わって振り返ると、
作者はミステリーの形式を借りているものの、
若い時代における夢や無念といった青春を描きたかったのではないか。
そう考えると、むしろこの軽さが程よい感じがした。
そういう意味で、ミステリーと青春ものがうまくミックスされた傑作だと思う。 (2008-02-19)
・ チルドレン (講談社文庫 (い111-1))
・ 重力ピエロ (新潮文庫)
・ オーデュボンの祈り (新潮文庫)
・ ラッシュライフ (新潮文庫)
・ グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)
Tag : 伊坂幸太郎
アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)
アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)
伊坂 幸太郎
東京創元社
発売日: 2003-11-20
定価: 1,575 円
アマゾン価格: 1,575 円
アマゾン売上ランキング: 26418位
通常24時間以内に発送
伊坂 幸太郎
東京創元社
発売日: 2003-11-20
定価: 1,575 円
アマゾン価格: 1,575 円
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【ユーザーによる評価】 平均評価: 4.5/ 総数: 59件
気付いてしまうと。読んでいるうちに、妙な違和感を覚え、それに気付くと不安が先走りページを繰る手が早くなる。
ああ、まさか。
まさかまさかと読んでる内に不安が的中し、何かヤダ何かヤダと思いながら読み終え、後味が悪い。
それでも完全な種明かしの後、もう一度、読み直したくなる小説。 (2007-10-06)
生まれ変わりを肯定すれば・・・過去と、現在が交互に語られていくのですが、
過去の事件「動物虐待」がとてもつらくて。。。
しかも、関係者がみんな死んでいく。
となると、すごく悲劇のようなのだけど、なんか乾いているのです。
で、読後感がすっきりしているのです。
琴美が、どうして、さっさと警察に駆け込まないのか、とてもいらいらして、
だからそうなっちゃうんだろって、つっこみたくて、苦しかったよ(笑
ブータンでは、蚊も蝿も殺さない。
死んだ、おじいさん、おばあさんの生まれ変わりかも知れないから・・・
そうかあ、生まれ変わりを肯定するという基礎があるから、
死がそんなにもつらくない世界が描けたのかも知れないです。
(2007-10-03)
過去の事件「動物虐待」がとてもつらくて。。。
しかも、関係者がみんな死んでいく。
となると、すごく悲劇のようなのだけど、なんか乾いているのです。
で、読後感がすっきりしているのです。
琴美が、どうして、さっさと警察に駆け込まないのか、とてもいらいらして、
だからそうなっちゃうんだろって、つっこみたくて、苦しかったよ(笑
ブータンでは、蚊も蝿も殺さない。
死んだ、おじいさん、おばあさんの生まれ変わりかも知れないから・・・
そうかあ、生まれ変わりを肯定するという基礎があるから、
死がそんなにもつらくない世界が描けたのかも知れないです。
(2007-10-03)
気持ち悪いところあり。恐いところあり。面白かった。タイトルに書くと恐い本って感じだが。。
物語の途中に出てくる動物の描写が気持ち悪いと思っただけで、
気持ちの悪い小説ではない。
少しずつああなるんではないかと思い、実際そうだったときに恐いと思っただけで、
恐い小説ではない。
面白かった。
それがこの本の感想です。
きっとこうなるんだろうとは思ったが、まさかああだったとは。
予想は当たっていたけど、期待はいい意味で裏切られた。
こんなところでどんでん返しが。
驚いた。
現在と過去の話が交互に進むのだが、
いろんなところで繋がりが見えてくる。
ただ私が残念なのは河崎だ。
まだ彼を見たかったけど。。
人は生まれ変われる。
爽やかな話だと思う。 (2007-08-12)
物語の途中に出てくる動物の描写が気持ち悪いと思っただけで、
気持ちの悪い小説ではない。
少しずつああなるんではないかと思い、実際そうだったときに恐いと思っただけで、
恐い小説ではない。
面白かった。
それがこの本の感想です。
きっとこうなるんだろうとは思ったが、まさかああだったとは。
予想は当たっていたけど、期待はいい意味で裏切られた。
こんなところでどんでん返しが。
驚いた。
現在と過去の話が交互に進むのだが、
いろんなところで繋がりが見えてくる。
ただ私が残念なのは河崎だ。
まだ彼を見たかったけど。。
人は生まれ変われる。
爽やかな話だと思う。 (2007-08-12)
2と鴨物語が進むにつれてだんだんわかっていく感じでどんどんページをめくっていける感じで読めました。井坂さんの小説はこれがはじめてですがこれを読んでいくと違う井坂作品も読みたくなりましたので違うのも買いました!現在と2年前を交互に読んでいく形のこの本。最初はわからなっかたのだけれど、次第に意味がわかってくると面白いものです。アヒルと鴨のコインロッカー?意味がわからなっかったけれども、次々とわかってきてこの作家の独創的な表現には感無量しました。2回目に読んでみると、「だからこうだったのか!!」と感じることが多々あるでしょうね。本屋を襲いにいってみるというへんてこりんな、ぽんぽこりんな、梢リンな、考えに思わず頷くでしょう。この発想からわかる通り、若い作家ですんで表現がおもしろいよ。 (2007-08-04)
完成度の高いミステリー物語は、現在(語り手:椎名)と二年前(語り手:琴美)の二つの流れが、並行して語られます。この二つの流れが、どう交わってくるのかがポイントです。
二年前の話では、ペット虐殺事件をバックに物語が進行します。現在の方は、河崎に椎名が書店強襲を依頼され、実行します。この二つの事件にどんな繋がりがあるのか。
アヒルと鴨は、「似て非なるもの」ということでしょうか。ここではブータン人と日本人です。これが、実は大きなトリックのヒントになっています。
ミステリーとして、非常に完成度の高い本ですが、同時に、同じ仏教国でありながら、ブータンのおおらかな考え方に、現代日本が忘れているものがあるように思いました。 (2007-04-15)
二年前の話では、ペット虐殺事件をバックに物語が進行します。現在の方は、河崎に椎名が書店強襲を依頼され、実行します。この二つの事件にどんな繋がりがあるのか。
アヒルと鴨は、「似て非なるもの」ということでしょうか。ここではブータン人と日本人です。これが、実は大きなトリックのヒントになっています。
ミステリーとして、非常に完成度の高い本ですが、同時に、同じ仏教国でありながら、ブータンのおおらかな考え方に、現代日本が忘れているものがあるように思いました。 (2007-04-15)
・ 重力ピエロ
・ チルドレン
・ ラッシュライフ (新潮ミステリー倶楽部)
・ 魔王
・ 砂漠
Tag : 伊坂幸太郎
死神の精度 (文春文庫 (い70-1))
【ユーザーによる評価】 平均評価: 4.5/ 総数: 27件
クールで愛嬌ある主人公の「死神」が遭遇する多様な人生模様!美容院でいつもカットを担当している女性に本書を薦められた。そういえば映画のプロモーションを見た覚えがある。本書のような作品―ジャンルでいえば、やはり推理小説部門に入るのだろう―は私にとって実に新鮮というか、味わいに富んでいるという印象だ。主人公の死神の「センス」もなかなか面白い。彼にとっては真剣な受け答えであっても、人間からすれば「馬鹿なこといいやがって!」と憤りを買うシーンが多い。コミカルな会話が、死神という取っ付きにくい対象を和ましてくれる。クールで愛嬌に富み、そして愉快な「死神」の存在感に惹かれた読者は、何の抵抗もなくすべての話を通読し終えるはずである。基本的には短編集でありながら、それらは意外にも繋がりをもっているので、それが分かると何となく嬉しくなる。最終話「死神対老女」に登場するこの「老女」は、きっとそれ以前の作品に出てきたあの女性であろう。ミュージックに目がない「死神」が老女の店で骨董品のラジカセから流れてきた曲を歌っていたのはあの女性だなど、巧みにそしてさりげなく仕込まれた伏線にわれわれ読者はちょっとした感動を覚える。全編を読み終えてみて、なんだか心地よい落ち着いた佇まいに自分がなっていることに気がつく。1971年生まれという若い伊坂氏の作風に、私自身がちょっと酔っているのかもしれない。「俺が仕事をする時はいつも雨なんだ」(290頁)とはいうものの、最終話では初の晴天に遭遇する。雨上がりの清々しさは心地よく、うっすらと虹がかかり空気も澄んでいる光景が思い浮かぶ。「心が洗われる」感覚なのだろう。全6話に登場する人間は実に多様性に富み、それが主人公である「死神」の存在感を高める要因にもなっている。私にとっての読後感はすこぶるよい。こうなると伊坂氏の他の作品にも手が伸びる可能性が強いが、しばらくは禁欲しよう。今は本書を薦めてくれた美容院の彼女にお礼をいいたい。
(2008-04-15)
(2008-04-15)
ある寒空のくうき。 読みやすい。さくさく読めました。しかもおもしろいんだ展開が。でてくる方々も、個性豊かな面々で…。
ここでいう死神とは、ぞくにいう“審判”です。ある人物が死ぬに値するか生きるに値するかを査定し、期限までにその旨(“可”か“見送る”か)を上層部に伝えて、おしまい。ミュージックが大好き。いきものには素手でさわれない(寿命を一年ぶんとってしまう)。主人公の場合、晴れの日を一度もみたことがない(人間界に降りるときは、いつも決まって雨なのだ、何故か。ほかの死神たちには本当かと疑われてしまうくらいに、一度も太陽を拝んだことがないのだ)。名前はとくにない、主人公の場合は“千葉”という名前を使っている。容姿は、そのときどきに応じて違う(査定する人間に受け入れられやすいように、上層部から指示がでる)。
今日も雨。今回の査定する人間は、ある女性。二十二歳。猫背で暗い雰囲気をもっているがために、実年齢より老けてみえる女性だ。その女性の判断をどうすべきか。だが、きっと決まっている。“可”だろう。いつだって“可”にしてきた。わざわざ調査をするでもない。だが、期限めいっぱいまで人間界にいるつもりである。大好きなミュージックを聴くために。
六つの物語。ちょっとした部分をよくよくみやれば、一つの物語である、ということが伺えます。それを探してみるのもいいかもしれません。ああ、こうなるのか。読み終わると同時に、そんな考えが頭をよぎるでしょう。
(映画だと、“犬”が相棒としてでていますが、本ではでていません) (2008-04-08)
ここでいう死神とは、ぞくにいう“審判”です。ある人物が死ぬに値するか生きるに値するかを査定し、期限までにその旨(“可”か“見送る”か)を上層部に伝えて、おしまい。ミュージックが大好き。いきものには素手でさわれない(寿命を一年ぶんとってしまう)。主人公の場合、晴れの日を一度もみたことがない(人間界に降りるときは、いつも決まって雨なのだ、何故か。ほかの死神たちには本当かと疑われてしまうくらいに、一度も太陽を拝んだことがないのだ)。名前はとくにない、主人公の場合は“千葉”という名前を使っている。容姿は、そのときどきに応じて違う(査定する人間に受け入れられやすいように、上層部から指示がでる)。
今日も雨。今回の査定する人間は、ある女性。二十二歳。猫背で暗い雰囲気をもっているがために、実年齢より老けてみえる女性だ。その女性の判断をどうすべきか。だが、きっと決まっている。“可”だろう。いつだって“可”にしてきた。わざわざ調査をするでもない。だが、期限めいっぱいまで人間界にいるつもりである。大好きなミュージックを聴くために。
六つの物語。ちょっとした部分をよくよくみやれば、一つの物語である、ということが伺えます。それを探してみるのもいいかもしれません。ああ、こうなるのか。読み終わると同時に、そんな考えが頭をよぎるでしょう。
(映画だと、“犬”が相棒としてでていますが、本ではでていません) (2008-04-08)
無機的で人間的、冷たくも暖かい「俺が仕事をするといつも降るんだ」。無機的でどこかずれていて、ミュージックをこよなく愛する死神。それに対していろんな種類の人間的な人間。キャラクター設定も見事ですが、伊坂氏らしい機知にとんだセリフ、しゃれた余韻を残した結末。伊坂氏の本は他も読みましたが、これがベストです。とても楽しめました。
全編通して、雨のちょっと肌ざむいじめっとした空気の部屋の中、少し遠くに聞こえるミュージックを聴いている、静かで心地よい、そんな空気につつまれている気分になってきます。
(2008-04-07)
全編通して、雨のちょっと肌ざむいじめっとした空気の部屋の中、少し遠くに聞こえるミュージックを聴いている、静かで心地よい、そんな空気につつまれている気分になってきます。
(2008-04-07)
うまいです出会って数日間で、その人間が死ぬか生きるかを決める「死神」。
多少ずれた死神の目線で見ているせいか、悲壮さはなく、どれも軽い感じで読みやすかったです。
人物の中にある軽い伏線も、鬱陶しくない程度でした。
また、死ぬところまでを追うわけでもなくて、ふわりとラストを迎える話も多く、お話がマンネリ化していなかったのもよかった。
基本のストーリーは同じなのに、どれもそれぞれ違う話で、パターンや見せ方も違って、うまいなあ、と思いました。
個人的には、やくざをジャッジする「死神と藤田」がかっこよくて好きでした。 (2008-04-07)
多少ずれた死神の目線で見ているせいか、悲壮さはなく、どれも軽い感じで読みやすかったです。
人物の中にある軽い伏線も、鬱陶しくない程度でした。
また、死ぬところまでを追うわけでもなくて、ふわりとラストを迎える話も多く、お話がマンネリ化していなかったのもよかった。
基本のストーリーは同じなのに、どれもそれぞれ違う話で、パターンや見せ方も違って、うまいなあ、と思いました。
個人的には、やくざをジャッジする「死神と藤田」がかっこよくて好きでした。 (2008-04-07)
死神は「生きる」 もしかしたら何人かの人は、この小説の冒頭を読み始めてすぐに、ああ、どこかで聞いたことのある設定だな、と思われるかもしれない。なるほどたしかに、この小説の主人公は文字通り「死神」で、昨年大ブレークした、マンガやノベライズや映画にまでなった例の作品と同様の匂いを、感じさせなくもない。どちらも人間の死を足がかりに物語が作られ、向こうではその世界観やSFチックな構造、対峙する敵(味方)や社会とのダイナミックで非日常的な応酬が記憶に新しいが、しかしこちらの作品は、ミニマルでかつ極めて日常的なヒューマン・ドラマに仕立て上げられている。それは、死神が特定の人物にしか見えず、決して人間の側の立ち位置に入ってくることがなかったあちらの作品に対して、こちらの死神は仮にではあれ人間の姿をして現れ、すでに死の宣告を受けている対象人物が本当に死に値するかどうか、一週間ほど様子を見て(時に寝食をともにして)最終確認の判を押す、といった設定になっているからだ。もちろん日常的といっても、もともと語り手が死神なわけだから、その時点ですでにSFチックではあるけれど、ある人間の死の最後の七日間を、つまりはこの死神が一緒に「生きる」ということ。この「立会い」の行為こそがすなわち、死神をもっとも「死神」から遠く隔てている。そうして人間に同化してもよさそうだな、といつしか思ってしまうのだがしかし、「死神」はやはり、死の烙印を押す。なぜならそれが、彼ら死神としての、精度だから。 (2008-04-06)
・ 空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)
・ チルドレン (講談社文庫 (い111-1))
・ グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)
・ ラッシュライフ (新潮文庫)
・ I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)
Tag : 伊坂幸太郎
死神の精度
【ユーザーによる評価】 平均評価: 4.5/ 総数: 103件
もうちょっと捻って欲しかった長編なんだろうな〜と思って買ってみたら短編集!
正直、??がつく話もありますが全体的な流れは凄くいいです
最後の話を読んで、「やられた」って思いました。
(2008-03-31)
正直、??がつく話もありますが全体的な流れは凄くいいです
最後の話を読んで、「やられた」って思いました。
(2008-03-31)
淡々と仕事をこなす死神が、読者の心をつかむ連作短編、というのか、短編がどこかでつながっているというタイプの作品だ。主人公は死神。
死神は死が決まっている人の調査、その人が死んでもOKか最終確認をするのが仕事だ。
彼は淡々と仕事をこなし、人間には興味が無い。CD屋で、音楽を試聴するのが好き。
人間くさくないような、とっても人間くさいような、興味深い人物(?)だ。
彼が見つめる、「死を間近にした人たち」がまたリアルで、さすが伊坂幸太郎、と思える。6編のつながり方も「ううむ、そう繋がるのか」と関心することしかり。
死に神なんだから当たり前なんだけど、時間を超えてるあたりが「やられた」感じ。
伊坂幸太郎には、篠田節子のような「衝撃的ヘビーな大作」でなく、さらっとしてるのに面白くてたまらなく、ほろりと来る。
ってのを求めているので、今回、期待通りの感じだった。
やっぱり、この人は上手い。
ちなみに、死神役は私の中ではジョニー・デップなんだけどどうでしょうか?
そこはかとなく、怪しいイメージが。 (2008-03-25)
死神は死が決まっている人の調査、その人が死んでもOKか最終確認をするのが仕事だ。
彼は淡々と仕事をこなし、人間には興味が無い。CD屋で、音楽を試聴するのが好き。
人間くさくないような、とっても人間くさいような、興味深い人物(?)だ。
彼が見つめる、「死を間近にした人たち」がまたリアルで、さすが伊坂幸太郎、と思える。6編のつながり方も「ううむ、そう繋がるのか」と関心することしかり。
死に神なんだから当たり前なんだけど、時間を超えてるあたりが「やられた」感じ。
伊坂幸太郎には、篠田節子のような「衝撃的ヘビーな大作」でなく、さらっとしてるのに面白くてたまらなく、ほろりと来る。
ってのを求めているので、今回、期待通りの感じだった。
やっぱり、この人は上手い。
ちなみに、死神役は私の中ではジョニー・デップなんだけどどうでしょうか?
そこはかとなく、怪しいイメージが。 (2008-03-25)
面白いとても読みやすく、面白いです。
ただ、最後の物語は無理矢理まとめた感があるような・・・。
ちょっと興醒めしてしまいました。
旅路を死神が一番良かったです。
星5つにしたかったけど、最後が・・・という点で
4つにさせてもらいます。
(2008-02-07)
ただ、最後の物語は無理矢理まとめた感があるような・・・。
ちょっと興醒めしてしまいました。
旅路を死神が一番良かったです。
星5つにしたかったけど、最後が・・・という点で
4つにさせてもらいます。
(2008-02-07)
読後感がいい短編集死神が主人公の短編集。
1話1話完結ではありますが、みんな少しずつ繋がっています。
伊坂幸太郎さんの作品は、同じ登場人物が他のお話にもでてきたりというのが多く、楽しめます。作品全部そろえてみたいものです。
こちらにも重力ピエロの春くんがでてきて、あの場面で死神とそんな会話を交わしていたのか、などと妙に納得させられたり。
「ミュージック!」好きの死神のキャラクターもよくて、「死」への距離のとり方が良かったです。同じ死ぬでも、こんな死神がきてくれて、こういう死に方ならいいかな、なんて。
残されるほうは、歯をくいしばって、泣いたり笑ったり苦しんだりしながらも、ただただ生きていかなきゃならないけど、いつかはみんな死ぬんだから、死ぬまでは生きなきゃな、と思わされました。 (2008-01-08)
1話1話完結ではありますが、みんな少しずつ繋がっています。
伊坂幸太郎さんの作品は、同じ登場人物が他のお話にもでてきたりというのが多く、楽しめます。作品全部そろえてみたいものです。
こちらにも重力ピエロの春くんがでてきて、あの場面で死神とそんな会話を交わしていたのか、などと妙に納得させられたり。
「ミュージック!」好きの死神のキャラクターもよくて、「死」への距離のとり方が良かったです。同じ死ぬでも、こんな死神がきてくれて、こういう死に方ならいいかな、なんて。
残されるほうは、歯をくいしばって、泣いたり笑ったり苦しんだりしながらも、ただただ生きていかなきゃならないけど、いつかはみんな死ぬんだから、死ぬまでは生きなきゃな、と思わされました。 (2008-01-08)
そしてまた再読のループに・・・文庫本派なので、文庫本化されるのを待っていたのだが待ちきれず購入。
「待つ」だなんて、なんて馬鹿げたことしてたんだろう!こんなに面白いとは。
死神・千葉が、担当する人間の死を見届けるまでの1週間を描いた6編。
千葉の容姿はそのたび変わるうえどれにも深くその容姿を描いてはいないが、ハードボイルド的な様相や雰囲気が容易に伝わってくる。
担当する人間を観察し、時に「死」について語らうなどと真面目に1週間のあいだしっかり仕事に取り組むのだが実はそれは人間界で大好きなミュージックに触れたいがためだったりもする。
彼はどうやらもう長いことこの仕事をしているらしい。ま、寿命なんてないんだろうから当たり前なのだろうが、そんな昔の仕事についても時折触れる箇所がある。
それが数千年前に担当した仕事の話だったりするのだが、この6編の中にも数十年の時の流れが存在していたりする。
これまでにこなしてきた仕事で経験、学習したことを応用・引用する。そんな本人いたって真面目な言動が、的外れでとても可笑しい。時には頷いてしまうこともあるのだが。
6編どれもが面白かった。中でも…、いややっぱり甲乙つけ難い。
そうそう。まさかここで春に出逢えるとは。なんか嬉しかった。「重力ピエロ」読んだとき、千葉を見落としてたのか忘れてるのか…。
伊坂作品のそれぞれ、どこかでリンクしていて嬉しい。がしかし、そのせいで再読のループに陥ってしまっているわけなのだが。 (2008-01-02)
「待つ」だなんて、なんて馬鹿げたことしてたんだろう!こんなに面白いとは。
死神・千葉が、担当する人間の死を見届けるまでの1週間を描いた6編。
千葉の容姿はそのたび変わるうえどれにも深くその容姿を描いてはいないが、ハードボイルド的な様相や雰囲気が容易に伝わってくる。
担当する人間を観察し、時に「死」について語らうなどと真面目に1週間のあいだしっかり仕事に取り組むのだが実はそれは人間界で大好きなミュージックに触れたいがためだったりもする。
彼はどうやらもう長いことこの仕事をしているらしい。ま、寿命なんてないんだろうから当たり前なのだろうが、そんな昔の仕事についても時折触れる箇所がある。
それが数千年前に担当した仕事の話だったりするのだが、この6編の中にも数十年の時の流れが存在していたりする。
これまでにこなしてきた仕事で経験、学習したことを応用・引用する。そんな本人いたって真面目な言動が、的外れでとても可笑しい。時には頷いてしまうこともあるのだが。
6編どれもが面白かった。中でも…、いややっぱり甲乙つけ難い。
そうそう。まさかここで春に出逢えるとは。なんか嬉しかった。「重力ピエロ」読んだとき、千葉を見落としてたのか忘れてるのか…。
伊坂作品のそれぞれ、どこかでリンクしていて嬉しい。がしかし、そのせいで再読のループに陥ってしまっているわけなのだが。 (2008-01-02)
・ 魔王
・ 砂漠
・ 終末のフール
・ フィッシュストーリー
・ チルドレン
Tag : 伊坂幸太郎




